【精神看護】うつ病の症状の理解~あなたの観察が命を救う~

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突然ですが、「うつ病」と聞いてイメージする症状はなんですか?

やる気が起きない

食欲がでない

なぜか涙が止まらない

色々なイメージがあるかと思います。

自分自身でうつ病かも、、、と思い病院に行くこともありますが、

家族や職場の人、恋人や友人等の周囲の人が

“なにかおかしいな”と気づいて受診を勧めるケースも少なくありません。

今回の記事ではうつ病相にある人に現れやすい症状を詳しく説明していきます。

症状を知らないと、自分や相手の変化に気づくことはできません。

しっかり理解して、自分が当てはまる場合はもちろんのこと、

周囲にいる大切な人に手を差し伸べてあげてほしいと思います。

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うつ病の症状の基本理解

うつ病の症状は日内変動があります。

(1日のなかで波がある)

午前中、特に朝方に気分が悪くなり午後になるにつれて気分は改善される傾向にあります。

また日によっても体調は変動するため、

今日が不調だったから必ず明日好調になっている、という約束もありません。

特に重症な場合は身体を動かす気力さえもなくなり一日中寝たきりになってしまうこともあります。

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うつ病の症状

症状は大きく分けて5つに分類できます。

1、気分の変化

2、思考の変化

3、行動の変化

4、身体の変化

5、睡眠の変化

※症状の出現や出方は一人ひとり異なります

気分の変化

プラスの感情(楽しい、嬉しい、面白い、おいしい、ワクワクする等)が低下し、

マイナスの感情(不安、悲しい、苦しい、焦り等)が強くなる傾向にあります。

具体的な内容としては

マイナスの感情、特に抑うつ感は朝方に強くなる

物事に対する興味が減少または消失し、人と会うのが億劫になる

ひとりにしてほしい。

憂鬱だな、、、。

自己肯定感が下がり、何に対しても悲観的になる

自信がない。

自分は孤独なんだ。

自分はどうせ無力だ。

特別な理由なく涙がこぼれる

不安やイライラが強くなる

イライラする。

不安で落ち着かない。

ぽむ
ぽむ

イライラしているイメージはあまり持たれないですが、

うつ病の症状のひとつに含まれています。

落ち着かなくなるとフロア内を徘徊する患者さんも多いです。

思考の変化

物事すべてに対して悲観的になります。

その結果、罪責感を抱き、貧困妄想・心気妄想・罪業妄想・自殺念慮・自殺企図がみられることも。

具体的な内容としては

思考が緩慢になったり中断してしまう

口数か減る

優柔不断になり、常に悩んでいる様子がある

記憶力の低下

覚えられない。

思い出せない。

自分を責めるような言葉が多くなる

全ては自分のせいだ。

自分なんかいないほうがマシだ。

心気妄想:身体的に異常がない、またはあっても大したことではないのに、重い病であるという妄想

貧困妄想:自分の経済状況が悪化したという妄想

罪業妄想:自分の行動や思考が宗教的や道徳的なものなどに背いているから、と自分を非難するという妄想

この3つの妄想を微小妄想といいます。

行動の変化

行動の具体的な内容としては、

意思決定が遅れる、または決定できない

自らすすんで何かをすることが少なくなり、部屋に引きこもっていることが多い

状態が悪化すると、口数が減り、ぼそぼそと話すようになる

外部からの刺激に対する反応はなくなる

最悪の場合自殺を決行することもある

身体の変化

常に体の不調や疲労感、倦怠感を感じる

体調が悪いな。

疲れやすいな。

なにもする力がでてこない。

食欲が低下し体力や活動性の低下につながる

活動性の低下や食事量の低下に伴い便秘になりやすい

女性の場合は食事摂取量の低下により体重が減少し、月経異常をきたしやすい

その他にも自律神経の機能に関連し、様々な症状の訴えが出現します。

口渇、下痢、頭痛、肩こり、腰痛、悪心(吐き気)、動悸(胸が苦しい)など。

ぽむ
ぽむ

胸が苦しいという症状を訴える患者さんが病棟にみえた場合。

心臓や肺に異常があるのか

精神症状からきているものなのか、我々看護師はアセスメントをして判断する必要があります。

睡眠の変化

入眠障害

なかなか寝付けない。

眠れない。

ぽむ
ぽむ

午前中ずっとベッドで臥床していることから、昼夜逆転傾向になってしまい、夜寝付けない患者さんが多いです。

病棟では作業療法を実施して、日中の覚醒を促す活動を実施しています。

中途覚醒

途中でしょっちゅう目が覚めてしまう。

眠りが浅く、寝た感じがしない。

睡眠時間は問題なくても、熟睡感が得られない

過眠の場合もある

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早期発見には観察力がキー

私たち医療スタッフは、患者さんの様子を日々観察しています。

今までは病棟フロアで他患者さんと笑いながら話していた患者さんが、臥床傾向にある

最近食事量が減ってきた

消灯後も起きていることが増えた

こういった変化に気づくことがとても大切です。

少しの変化があればスタッフ間で共有したり、実際に患者さんに話を聞いたり主治医に報告します。

病院内ではこのようにすぐに対応できる場合が多いです。

しかし、普段学校に通っていたり仕事をしている方に、うつ症状が出現し始めた場合、医療スタッフがすぐに気づいてあげることはなかなか難しいです。

そのため、周囲の人が気づいた時点で手を差し伸べてあげてほしいと思います。

病院に行ったら?と無理に言う必要はありません。

少し顔が疲れてみえるけど、夜寝れてる

ご飯一緒に食べに行かない?

こんな言葉がけで大丈夫です。

あなたのその一言が大切な人を救うきっかけになるかもしれないから

まとめ

うつ症状は大きく分けて5つに分類できます。

1、気分の変化

2、思考の変化

3、行動の変化

4、身体の変化

5、睡眠の変化

症状の出現や出方は一人ひとり異なります。

自分や周りの少しの変化に気づけるように、症状を理解し観察力を養いましょう

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