躁病相にある患者さんはどのような問題が生じ、看護師がどのように介入していくのかをまとめてみました。
看護学生や精神看護に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
うつ病の時と同様、
躁病相でも3つの時期に分かれています。
①急性期
②回復期
③維持期
それぞれの時期によって、問題点や看護介入の方法にポイントがあります。
今回の記事では回復期におけるポイントについてお話していきますね。
躁病急性期の看護についての記事はこちら↓

躁病回復期に生じやすい看護問題

・退院の要求が強くなる
・家族や職場の受け入れ
躁病回復期の看護目標

・患者自身が躁状態であったときの言動を現実的に振り返ることができる
・家族や職場の人々が疾病に関する理解を深め、患者を受け入れることができる
看護介入及び看護計画
◎躁状態であったときを振り返る
◎患者周囲の人々の理解を促す
躁状態であったときを振り返る

患者さんの状態が安定してきたら、
躁状態であったときのことを振り返られるように支援します。
躁状態のときに起こしてしまった問題について現実的に考えた患者さんが、自分を責めたり抑うつ的にならないように気をつけて振り返りましょう。
また、躁状態になったきっかけや予兆なども忘れずに振り返ります。
予兆が出現した際に
・どのような対処をしたのか
・他の対処法はないか
などを一緒に考えます。

調子が徐々に上がってきた患者さんに対して先輩が
“○○さん、最近テンション上がり始めてますよ。
自分で気づけていますか?”
と声をかけていたのが印象的でした。
常に観察しているからこそ、気づける変化ですよね。
患者さん自身に、調子があがってきている認識をしてもらい、
悪化してしまう前に対処できるような介入を間近で見て勉強になりました。
患者周囲の人々の理解を促す

躁状態のときは患者さんだけでなく、
周囲の人もエネルギーを消耗させます。
周囲の人々が患者さんの対応にかなりの労力を費やすケースが多いです。
そのため、患者さんの状態が安定し始めると、患者さんに対して反撃したい気持ちが沸き起こることもあります。
“あのときあなたが○○したから”
“あなたに△△と言われた”
このように家族や周囲の人々がマイナスな感情を抱くことも。
周囲の人々の気持ちも理解しながら、躁病について理解を深められるように支援することも重要な看護の役目です。
現在の患者さんの状態を伝え、試験外泊の調整を行ったり、場合によっては職場復帰の調整も行います。
患者さんだけでなく、患者さんを支える周囲の人々が安心して本人を受け入れられるように関わることが大切です。
まとめ
躁病相回復期で起こりやすい問題
・退院の要求が強くなる
・家族や職場の受け入れ
看護介入及び看護計画
◎躁状態であったときを振り返る
◎患者周囲の人々の理解を促す
看護師は患者に合わせた目標や看護計画を実施していきます。

ぽむのおまけ

スタッフに暴言を吐いていた急性期の躁状態にいる患者さんがいました。
回復期に移行すると
「あの時ひどいこと言ってごめんなさい。」
と謝罪されました。
本人は急性期のときの記憶がしっかりあるので、患者さんはもちろん辛いと思います。
さらに、暴言も症状のひとつだと分かっている看護師でさえも暴言を言われたら嫌な気持ちになるので、家族や周囲の人々の辛い気持ちもわかります。
躁状態は思っている以上に難しい疾患だと感じました。

コメント