精神科で必ず関わるであろう、うつ病の患者さん。
うつ病は大きくわけて3つの時期に分かれています。
①急性期
②回復期
③維持期
それぞれの時期によって、問題点や看護介入の方法にポイントがあります。
今回の記事では急性期におけるポイントについてお話していきますね。
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うつ病の急性期の期間
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“急性期”って具体的にどのくらいの期間のことを言うの?
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私たち医療スタッフは
うつ病と診断されてから3か月以内を
急性期として介入していきます。
あくまでもだいたいの目安に過ぎません。
3か月よりはやく回復期に移行する場合も、その逆も然りです。
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うつ病の急性期に生じやすい看護問題
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・身体的な不調の訴え、
活動性・意欲・判断力の低下により日常生活が障害される
・人間関係の障害
・社会生活の障害
・行動化(自殺)のリスク
うつ病急性期の看護目標
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・安全な環境で休息をとれる
・食事、睡眠、排泄、清潔行動の充足
・抑うつ気分の軽減
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看護介入及び看護計画
休息・睡眠を促す
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急性期では、数日前まで普通にお仕事をされていた患者さんもいます。
そのような患者さんであればあるほど
“休むこと”
に抵抗を感じる場合が非常に多いです。
仕事に限らず、主婦で子どもの送り迎えやお弁当、家事などをしていた方も、このような考えに至りやすい傾向にあります。
「今のあなたの仕事は休むこと、
今は活動するためのエネルギーを蓄積させましょう」
と声をかけます。
また、夜間しっかり睡眠がとれない場合は
眠剤も活用していきます。
うつ症状が重度の場合は常にベッドで臥床している患者さんも多いです。
日常生活の援助
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急性期にある患者さんは、日常生活をする気力がでないこともあります。
例としてこんな介入をしています。
<食欲が低下している場合>
・患者さんのペースで食事できるように見守る
・少量ずつ取り分けたり、食べやすいようにセッティングする
・必要に応じて声をかける
「スプーン持ってみましょうか」
「口まで運んでみましょう」など
・抑うつ状態により、嚥下がうまくできず誤嚥や窒息につながるため、食形態も必要に応じて検討する
・食事量の低下、栄養状態が悪いときは補液や栄養補給を行う
<清潔が保持できない場合>
・清潔保持行動
(口腔ケア、入浴、更衣、整髪、爪切りなど)の促しや見守り、必要に応じて介助する
・できたことに関して労いの言葉をかけフィードバックする
服薬の必要性の理解を促す
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抗うつ薬は飲み始めてすぐに効果が出るものではありません。
厄介なことに、効果よりも先に副作用の方が顕著に現れることが多いので、
拒薬につながるケースもあります。
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私たちも痛みがあって痛み止めを飲んでいるにも関わらず
痛みは変わらない、さらに吐き気を感じたらどう思いますか?
おそらく
“この薬のせいだ、この薬は効かないんだ”
と思って飲むのをやめようと思うはずです。
“抗うつ薬の効果を感じるには時間がかかること”
“便秘や口渇などの副作用が先に出やすい”
薬に関する話は医者や薬剤師から話はあると思いますが、必要に応じて看護師からも伝えておくと患者さんも安心するでしょう。
そして、飲み続けることで効果を感じられることや回復につながっていくことも伝えていきます。
訴えの傾聴
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入院して間もない急性期では、
心気的な訴えが多い印象にあります。
「だるい」
「頭が痛い」
この他にも
「腕があがらない」
「胸が苦しい」
など訴えは多岐にわたります。
看護師は“心気的なものだ”と決めつけて
雑な観察にならないように注意が必要です。
患者さんの訴えだけでなく、
実際の食事量や排泄状況なども併せて観察し看護介入します。
自殺への注意
患者さんに希死念慮や自殺企図がなくても、常に注意して観察しています。
特に注意しなければいけないのは、うつ病初期と回復期です。
これに関しては回復期で詳しくお話しますね。
重大な決定は避ける
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うつ病の症状でも記載しましたが、
うつ病相にある患者さんは何に関しても悲観的に捉えてしまいます。
そのため
“自分はもうなにもできない”
“この病気は治らない”
という理由で退職や退学、転職や離婚などを考える傾向にあります。
このような人生における重要な決定は治るまで待つように声をかけましょう。
また、これに関しては周囲の人にも同様に、決定は急がないように伝えています。
まとめ
うつ病の診断からおおよそ3か月の間の急性期で起こりやすい問題
・身体的な不調の訴えや活動性、意欲の低下、判断力の低下により日常生活が障害される
・人間関係の障害
・社会生活の障害
・行動化(自殺)のリスク
看護師は患者に合わせた目標や看護計画を実施していきます。
回復期、維持期の看護介入方法についても記事にする予定です。
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