現役精神科看護師のぽむです。
私は大学を卒業してから精神科の病院に就職しています。
領域別実習を経験して、少しでも精神科に興味を持ってくれた看護学生さんはいますか?
新卒で精神科看護師になったからこそ伝えられること。
すなわち
”新卒で精神科看護師になる”
メリットとデメリットをお話します!
新卒で精神科看護師になるメリット
業務に追われないため心身のストレスが少ない
新人看護師にとって就職して1年目は、
全てが新しいのはもちろんのこと。
覚えなければいけない看護技術も多いです。
総合病院に就職した友人の話を聞くと、
”覚えることがありすぎてパンクしそう”
”先輩に聞きたいけど、先輩も忙しそうにしていて質問しづらい”
と言っていました。
1年目が初めてのことだらけなのは精神科で働くうえでも同じです。
しかし、一般科と比べると実施する看護ケアは少ないです。
看護技術を覚えることで精一杯になってしまい、心身ともに疲弊する可能性は低いと思います。
新しい看護技術に関しては、
自信が持てるようになるまで、先輩がしっかり付き添ってくれました。
業務に追われてないからこそ、先輩方も余裕をもって私に指導してくれたのかな?と思います。
忙しさのあまり就職してすぐに看護師を辞めてしまった友人もいたので、
その点精神科は比較的ストレス少なく働けると思います。
看護技術をすぐに実践できる
精神科は入職したらすぐに看護技術に挑戦させてもらいやすいと感じました。
(病院によるかもしれませんが)
総合病院などの大きい病院では、研修を受けたり実技テストなどに合格しないと実施させてもらえません。
そもそも3年目にならないと点滴のルート確保をやらせてもらえない。
など、縛りが多いです。
逆にいうと教育体制がしっかり整っているといえますね。
一方、精神科病院は中途(看護師経験のある人が入職する場合)が多いため、新人教育にはあまり力をいれていない印象を受けます。
また、夜勤は2人体制の病院が多いです。
何かあった時は、1年目であろうが自分が動かないといけない状況になるのです。
そのため、例えば採血の機会ができたら、
新人の私に”どんどんやっていいよ”と仕事を振ってくれます。
私は採血や点滴のルート確保は入職して1ヶ月も経たないうちにやり始めました。
手技の確認、先輩の腕で練習して合格をもらえてから、患者さんに実践しました。
はやい段階で看護技術を実施することをデメリットと思う人もいるかもしれません。
ですが、早かれ遅かれいずれはやらないといけないもの。
はやいうちから看護師っぽい仕事をやらせてもらえてとても嬉しかったです!
(もちろんいきなり実践するのではなく、事前に手技、注意点や観察項目なども先輩方に確認してもらってGOサインが出てからです)
同期と比較されにくい
精神科にはそもそも新卒で入職する人がほとんどいません。
新卒で入職した同期という存在は支えになる反面、比較対象になりやすいです。
”Aさんはあんなにテキパキと働けるのにBさんは…”
こう思われるのってやっぱり嫌ですよね。
ただでさえ1年目って病みやすいのに、
こんなこと言われたら仕事にも行きたくなくなります…(´;ω;`)
私が入職した時は1人だけ新卒の方がいましたが、病棟が違ったため直接比較されることは全くありませんでした。
誰とも比較されず、自分の仕事そのものをちゃんと評価してくれるので働きやすいと感じました。
先輩に可愛がってもらいやすい
新卒で入職する人が稀なこともあり、
職場の先輩方からいろんな意味で興味を持ってもらえます(笑)
”なんで新卒で精神科選んだの?”
”大学でどんな授業受けてたの?”
”実習はどんな感じだった?”
”お父さん、お母さんいくつ?(笑)”
などなど…
精神科の病院はパパママ世代の看護師も多くいらっしゃるので、
子どもを見るような目で温かく接してくれるケースが多いです。
また、精神科は男性スタッフも多いです。
そのため、女性社会特有のドロドロした感じも比較的少ないと思いました。
新卒で精神科に就職する主なメリットを挙げてみました。
次からはデメリットです。
新卒で精神科看護師になるデメリット
自ら積極的に動かないと学べない
何度も言いますが、精神科は一般科に比べて業務が少ないです。
また、受け持ち制度(病室で毎日受け持ち患者さんが変わる)ではなく、
チームで患者さんをみる体制をとっている精神科の病院も多いと思います。
なので、気づいた看護師によって業務が終わってしまうことがあるのです。
例えば筋肉注射をする予定の患者さんがいたとしましょう。
朝の時点でリーダーや先輩などに
「筋肉注射やったことがないので、一度見学させてもらってもいいですか?」
「筋肉注射の手技に自信がないので、確認していただきたいです。」
「〇〇の観察項目は○○○○で合っていますか?」
このように声をかけておきます。
自ら”学びたい欲”を発信していかないと知らない間に学ぶ機会を失ってしまいます。
実習生のように「○○に入らせてください!」とアピールしないとなかなか学べません。
でも1年目だと緊張してなかなか言いづらいですよね。
だからこそ、新卒入職が少ない精神科病院で働くデメリットになると考えました。
同世代と関わる機会が少ない
精神科単科の病院には20代前半の看護師が少ないです。
同世代で話せる人がいなかったため、気が休まる瞬間がありませんでした。
仕事中はもちろん、休憩中も常に敬語を使います。
母と話すときにいつもの癖で
「○○ですよね」と言ってしまうこともありました(笑)
今では先輩方とも打ち解けられてお互いのキャラクターも理解し合えているので、ストレスはほとんどありません。
入職した当時は頻回に大学の友人とご飯に行ってましたね。(コロナ前だったので)
私の性格上、同世代より年上の方と仲良くなりやすかったのでめちゃくちゃデメリットか、といわれるとそこまでではなかったのですが、おそらく私が特殊なだけなので(笑)
一般的には同世代と関われないのはデメリットになるのかなと思いました。
自分の成長を感じにくい
同じレベルで入職した同期がいないため、比較されないメリットがあると言いました。
一方で、自分の成長を感じにくいといったデメリットもあります。
切磋琢磨し合える相手がいないのです。
なので、自分の看護技術やアセスメント能力、患者さんとの関わり方など、
日々成長できているのか不安になることが多々ありました。
ですが、これには解決策があるので安心してください。
数か月経てば、ある程度話しやすい先輩を見つけることができるかと思います。
その先輩に、自分に成長できている部分があるか聞いてみましょう。
話しやすい先輩ならきっと聞きやすいはず。
私の場合は管理職の方が定期的に面談をしてくれました。
その面談で自己評価と他者評価に差異がないか、その都度確認していました。
そうすることで、自分も少しずつ成長できていることを実感するのと同時に、
次の課題を見つけることができました。
一般科に入職した友人と比較すると劣等感を感じやすい
入職して半年~1年経過すると、一般科に務めている友人よりも知識や技術が劣っているなと実感します(笑)
私は自ら精神科が好きで精神科病院を選びましたし、今後も一般科で働きたいとは考えていないので、技術の差はそこまで気になりません。
むしろ、同じ時期に看護師になって自分よりもバリバリ働く友人の話を聞いてすごいな、と素直に尊敬します。
人によっては劣等感に感じる場合もあるかと思い、デメリットにあげました。
まとめ
新卒で精神科看護師になるメリット
・業務に追われないため
心身のストレスが少ない
・看護技術をすぐに実践できる
・同期と比較されにくい
・先輩に可愛がってもらいやすい
新卒で精神科看護師になるデメリット
・自ら積極的に動かないと学べない
・同世代と関わる機会が少ない
・自分の成長を感じにくい
・一般化に入職した友人と比較すると劣等感を感じやすい
たしかに新卒で精神科の病院を選ぶのは珍しいかもしれません。
ですが、私は今でも新卒で精神科に入職してよかったと思っています!!
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