現役精神科看護師のぽむです。
看護学生のみなさん。
精神科の実習は順調ですか?
今日は私が学生だった時の精神科実習での学びレポートを使いながら、
精神科実習ではこういった学びができるよ!ということを記事にしています。
看護師としての視点も追加しながらみなさんに伝えていきますね。
実習での患者さんとの関わりや実習最後のまとめ発表など、ぜひ参考にしてみてください。

精神科実習での学び

学生時代のレポートを読み返すと、大きく3つのことが書かれていました。
- 強み(ストレングス)に働きかける看護
- 身体合併を伴う患者さんへの看護
- 振り返る看護
ひとつずつお話していきます。
強み(ストレングス)に働きかける看護

私は今回の実習で患者さんの強みを見つけ、その強みに働きかけることの大切さを学びました。
実習当初は、患者さんのできない部分に目が行きがちでした。
しかし、患者さんと関わっていくなかで、できない部分も見方を変えれば患者さんの強みとも考えられることに気づきました。
例えば、1日中ベッドで横になっている患者さん。
これだけみると、「活動性が低い」という部分に着眼して看護計画を考えます。
ですが、見方を変えると食事や排泄、入浴などの必要最低限の活動は自分でできている。という強みとも考えることができるのです。
この強みを生かして、やみくもに声をかけて活動性をあげる計画を立てるのではなく、
食事の前後30分で何か活動を提案する、排泄で病室から出てきた瞬間を狙って声をかけてみる、など強みを生かした看護計画に取り入れるようにしました。
また、その強みを患者さん自身が気づけるようにフィードバックすることも大切だと学びました。

視点
看護師として働いている今も、
ストレングスに着眼することはとても大切だと実感しています。
精神科に入院している患者さんは「自分はなにもできない」と思い込んでしまっている方が多い印象です。
特に入院が長期化している患者さんほど。
私は受け持ち患者さんの看護計画の中に必ず強みを記載して、
そこにアプローチする計画を立てています。
ストレングスを生かして患者さんが少しでも自分に自信を持って退院に一歩ずつ近づけるように関わっています。

身体合併を伴う患者さんへの看護

精神科に入院している患者さんは、精神疾患のみを有しているわけではないということを実感しました。
疾患として診断される前に、その症状が精神面からきているのか、それとも身体疾患に伴うものなのかの鑑別が重要だと思いました。
身体疾患だった場合、発見が遅れることで最悪の場合、生命にも関わります。
そのため、患者さんの状態を普段と比較したり、異常を裏付ける根拠を用いて早期に身体疾患を発見できるようにすることが大切だと感じました。

視点
現在進行形で身体疾患との鑑別の重要さを身に染みて感じています。
私の場合、新卒で精神科の病院に就職したので、身体疾患の看護に携わったことがありません。そのため、症状が現れたときに「もしかして○○かも?」とすぐに判断することが苦手です。
その判断は先輩方に委ねるとして、その代わりに「いつもと何か違う」という勘を大切にして早期に報告できるように心掛けています。
精神科の患者さんは特に、自分の体の不調をうまく表現することができない場合が多いです。
普段関わっている看護師がそれにいち早く気づいてあげることが大切です。
大切だとはわかっていても今でもそれは難しいなぁと思っているところです。

振り返る看護

入院している患者さんに、退院後どのような生活を送りたいかを聞き、その目標に向かって看護を計画していくことはとても大切だと思いました。
しかし、それだけではなく、入院に至った経緯を一緒に振り返ることも大切な看護の一つだと学びました。
入院に至った経緯を振り返ることは、時に患者さんを苦しめてしまうことにもなりかねません。
ですが、今回の実習のようにともに振り返ることで、症状が悪くなってしまった原因や対処方法を共に考えることができました。

視点
入院して間もない期間は、薬剤や環境を調整して症状を軽減させることを第一優先にします。
退院が全く見えていない状況で振り返るのではなく、ある程度症状が軽快し、
自分のことを冷静に考えられるようになってきた頃に振り返ることが多いです。
また、振り返ったことは医師や精神保健福祉士などの多職種とも情報共有し、退院支援を実施していきます。

精神看護実習のまとめ
私が学生だった頃の精神科実習での学びは以下の3つです。
- 強み(ストレングス)に働きかける看護
- 身体合併を伴う患者さんへの看護
- 振り返る看護
受け持たせてもらった患者さんによって学びは人それぞれ。
精神科実習は清拭などの看護ケアを実施することがあまりないので、
「この実習で学べることあるのかな?」と最初は疑問に思うこともあるかと思いますが、
患者さんとの関わり方を1番考えて実践して学びの多い実習になるのは精神科実習だと思っています。

ぽむのつぶやき

今回この記事を書こうと思ったきっかけ。
それは、先日私の病棟に看護学生が実習に来ていたからでした。
学生さんが付いていた若い女性の患者さんが実習最終日だと知り、涙を流していたのです。
その受け持ちだった学生さんももらい泣きをしていました。
はぁ、なんて綺麗な涙なんだろう、、、
とスタッフ一同感動。
学生は実習終了時間になって病棟を出る前に、学生リーダーが最後に挨拶をします。
最終日は私たちスタッフから自然と拍手が起こりました。
今回実習に来ていた学生さん、とても一生懸命取り組んでいたなぁと。
受け持ちの患者さんと関わっている看護学生を見てとても懐かしく感じ、
家に帰ってから自分の精神科実習での学びのレポートを読み返しました。
今レポートを見ても、本当に学びの多い実習だったな、と思います。
長い看護実習期間で、きっと大変なことの方が多いと思います。
ですが、今回実習に来た学生さんたちにとってこの実習が、
良い学び・思い出として残ってもらえたら嬉しいです。
そして、卒業してすぐに、とはいかなくても、精神看護に少しでも興味をもってもらえたらもっと嬉しいなぁと思いました。
私も綺麗な涙、流したいな(遠い目)

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